過敵性腸症候群(以前は過敏性大腸炎とよばれていた)

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一日に何度、トイレに通うことか、数えきれない。便意をもよおし、トイレに駆け込むが、いくらたってもウンチは出ない。けれど、トイレを出るとまた便意をもよおし、すぐまたトイレに逆戻り。そうしたことを繰り返す。大腸のX線造形検査や尿検査をしても何の異常もない。

「過敏性腸症候群ですね。ストレスがたまっているのでしょう」

といわれるだけ。ことがことだけに、人にはいえない。わかってもらえないつらさを嘆くひまもなく、またトイレに直行する……。

過敏性腸症候群は、精神的な不安や緊張などがもとで自律神経系に乱れを生じた結果、腸の運動や分泌機能が過致になって、便通異常を起こす病気だ。特徴は、下痢や便秘を繰り返す。腸そのものに炎症などの器質的な異常はなく、精神的な影響による症状がみられる。以前は、過敏性大腸炎といわれていたが、大腸だけでなく、胃にも小腸にも機能異常がみられるので、過敏性腸症候群と呼ばれるようになった。 

目下、消化器内科でもっとも多いのが、過敵性腸症候群だろう。消化器の異常を訴える患者の一〇~二五%は過敏性腸症候群といわれている。この病気の間題は、患者自身の苦痛もさることながら、日常生活がままならなくなるなど、社会上活に直結した影響をおよぼすところにある。

大腸トラブルの女性の側の横綱が便秘なら、男性側は過敏性腸症候群だ。「女性より男性のほうがデリケートだからだ」などという人もいるが、なぜ大腸のトラブルに男女の差が出るのかはわかっていない。

過敏性腸症候群は、専門的には「脳腸神経の中の機能異常」といわれる。つまり、精神的なストレスが、消化管や内臓感覚を過敏にする原因となっているということだ。腸内細菌叢のバランスが崩れることも原因と考えられている。腸内細菌がどのように関与するか、そのメカニズムはわかっていない。直接関与する腸内細菌の菌種も特定されてはいないが、腸内細菌叢の変化による病態の変化や、消化管内常在細菌叢をターゲットにした研究が注目されはじめている。 

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  2. 腸内細菌が引きおこす病気
    腸内細菌は、腸管に直接障害を与える場合と、血流を介して全身に回り、全身疾患をおこす場合とがある。どの腸内細菌がそれぞれの病気を引きおこす原因であるかの特定はまだできていないが、がんを誘発する中間物質をつくり出す菌の解明は少しずつではあるが進んできているのだ。
  3. 現代の食事が腸内細菌を変える
    食事が腸内細菌叢に影響をおよぽしていることが指摘されはじめたのは、がんの発症部位の変化によるところが大きい。

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